「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」という病気
私は、2013年に「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」を発症しました。
発症してから10年。
今では(左手は少し不自由ですが)、楽しく暮らせるようになりました。
私の体験が、同じ病気で苦しんでいる方の目に留まればと思い、
記憶が薄れてしまう前に、私の体験を記したいと思います。
主要臨床症状は、先行する気管支喘息あるいはアレルギー性鼻炎と、血管炎によるものである。発熱、体重減少、末梢神経炎(多発性単神経炎)、筋痛・関節痛、紫斑、胃・腸の消化管出血、肺の網状陰影や小結節状陰影、心筋梗塞や心外膜炎、脳梗塞・脳出血などである。多発性単神経炎は、急性症状が改善してからも、知覚や運動障害が遷延することがある。
出典:難病情報センター
最初は「腹痛」から
2012年10月
最初は「腹痛」から始まりました。
いきなりお腹に激痛が。
何時間経っても治らないので、喘息で通っていた内科(町医者)を受診することにしました。
先生は、腹痛の薬を処方してくれて、様子を見るようにとのことでした。
2012年11月
数日間様子をみたけれど、薬を飲んでも一向に回復しません。
ずっとお腹は痛いまま。
ちゃんと検査をしてもらおうと思い、大きな病院を受診することにしました。
血液検査の結果は、
好酸球 46.5% / CRP 2.7mg/dL
好酸球が高いのと、CRP(炎症反応)が少し高かったので、
「好酸球性胃腸炎」と診断され、治療が始まりました。
ステロイドの薬(プレドニン錠)が処方され、通院することになりました。
ステロイドの薬を飲み始めると、好酸球は少しづつ減少していきました。
でも、腹痛は全然治りません。
胃カメラ検査、腹部エコー検査、CT検査ともに異常がなく、
ステロイド以外にも、色々な腹痛の薬を処方されましたが、お腹は痛いまま。
血液検査 | 11/9 | 11/12 | 11/19 | 11/27 | 12/10 | 1/7 | 1/21 | 2/4 | 2/28 |
好酸球 | 46.5 | 17.0 | 11.2 | 8.5 | 2.0 | 28.9 | 24.9 | 39.4 | 45.5 |
減少していた好酸球も、1月頃から増加しています。
腹痛は、時々痛みが引くこともあるけれど、食べ物を食べたり、便をすると痛くなり、
ほとんど食べることができませんでした。
仕事は休業。
丸1日、お腹の痛みで眠れずに過ごした日もありました。
1ヵ月後、体重は10㎏以上減少していました。
人は、水さえ飲めれば1ヶ月近く生きられる
2013年1月
1週間以上ほとんど食べることができなかったので、
点滴をしてもらおうと、病院に行った時に言われた言葉。
「人は、水さえ飲めれば1ヶ月は大丈夫(生きられる)」
「点滴しますか?」
「ポカリスエットなどを飲めば、点滴と変わりませんよ」との言葉。
点滴はしてもらいませんでした。
体の不調時、病院に行けば治ると思っていた私。
本当に、毎日が辛くて辛くて…
腹痛がこんなに辛いものだとは知りませんでした。
病院なんて大嫌い。
複数の病院を受診
2013年2月
腹痛が全然治らず、この痛みから解放してくれる医者がいないのかと、
色々な方から評判を聞き、いくつか他の病院を受診してみました。
でも、どの病院も、腹痛の原因はわかりませんでした。
その後も腹痛は続き、体重はどんどん減少していきました。
ガリガリになっていく自分の体。
体重が38kgになった所で怖くなり、体重計に乗らなくなりました。
こんなに痛いのに、原因がわからない。薬も効かない。
本当に辛い日々でした。
そんな腹痛と戦う日々が4ヶ月続いたある日、突然それは起こりました。
左手の指が動かない?
2013年3月7日
左手に違和感。
最初は、小指が麻酔を打ったように痺れて動かなくなり、
その後、薬指、中指と、どんどん痺れが広がっていき、
左手の指全てが麻酔が効いた状態のように動かなくなりました。
数日前にも右手が痺れたことがあったけれど、それはすぐに治ったので、
左手もすぐに動くようになると思い、1~2時間ほど様子をみました。
でも、全く動きそうになかったので、病院に行くことにしました。
腹痛の後は、左手指の麻痺。
次の日、入院することになりました。